天井紙・壁紙としての「手染め和紙」
マルトモ商店では少量生産ではございますが、伝統技法と現代のテクノロジーで改良を重ねた天然素材を塗布した、柿渋をはじめとする染め和紙の壁紙、天井紙を手作りで製造しております。和紙でありながらもその強度と風合いは申し分なく、壁紙、天井紙、そして様々なインテリアを制作する素材としてご活用いただけます。
改良を重ね、特別に制作した柿渋紙を用いたギャラリー・アルイグス「御室」の天井照明。これを設計した建築家の高木信治氏はこの「御室」の意匠に曼荼羅(無限大)の意味を込めています。季刊「銀花」第112号に掲載されています。
インテリア素材としての手染め和紙
柿渋(液体)と渋柿(果実)を混同なさる方も多いのが現実ですが、柿渋液はタンニンの含有量の多い若い渋柿の実を夏の頃に摘果して搾汁し、発酵させてたものです。もともと漁村では漁網を強くする材料として使われてました。山間部と漁村とは柿渋で繋がってました。他の用途として漆塗りの下地剤として使われます。珍しい使用例としては中風の薬。京都の渋新老舗さんのご主人は「今の人は不摂生な食事をして、挙句には薬・クスリと言うてはりますわ」と語ります。
人体に無害な染め和紙は和風建築の天井紙、壁紙のみならず、様々な和風インテリアの素材としても最適な素材です。
天然手染め和紙
柿渋
木材でも黒柿は銘木の代表として茶道具に建築材料に使われてます。そのような柿渋を和紙に染色してまるともは製品化。柿渋の特徴は年を経るとともに、更に深みのある落ち着いた色を楽しめることにもあります。柿渋はもともと漁村では漁網を強くする材料として使われてました。他の用途として漆塗りの下地剤として使われます。
うこん
当社が染色に使用してるのは秋ウコンです。沖縄のメーカーから精製された良質なものだけを入手して、約70度の液体にて浸染しています。和紙は熱水は苦手。刷毛による引き染めとの併用です。秋ウコンは薬用としてもつとに有名な原料です。マルトモ商店では「漢方和紙」と名付け、染料素材は口に入れても大丈夫な人体に無害なもののみを使用しています。
べんがら
弁柄は酸化第二鉄が主成分です。赤色顔料として多方面に使われてます。城下町金沢では「きもすこ」と言われる木製の出格子(きもすこ)の外装のしつらいが有ります。弁柄を柿渋と併せて塗布します。防腐剤として、美しい落ち着いた赤色が独特の風情。これを和紙に塗布し、独特の味わいを醸し出します。また、食品としては滋賀県の近江地区に蒟蒻の着色剤として赤い色の蒟蒻があります。